筆の歴史から見れば、日本の筆は中国の筆を真似たものと言えますが、その過程で日本の筆も独自に発展しています。
中国と日本の筆を比較した場合、日本製の筆の方が仕事は丁寧です。
その大きな違いは命毛の出し方が違うといわれており、先端の揃い方は日本の方が鋭いです。
他方、中国の筆の優位性として安さは外せません。
現在、中国から大量の筆が輸入され、日本の筆より安く売られています。
特徴としては、中国産の小筆には兎(うさぎ)毛が使われていますが、日本には兎毛が輸入されていないので、日本産に兎毛のものはありません。
「写巻」「双料写巻」など筆先の弾力が強いのは兎毛によるものです。
それぞれの筆にファンは存在しますので、広く使っていただいて、良さを体験してください。
筆は見ただけでは書き心地は分かりませんし、手作りですので、同じ筆でも微妙に感覚が違うことがあります。
あまりに出来が悪いと困りますが、違いを楽しむことも筆を使うことの面白さではないでしょうか。
※ちなみに中国には「かな」がないので、中国産のかな筆はありません。