篆刻の側款について
側款とは?側款の意味
側款とは、簡単に言うと篆刻で印材の側面に刻まれた作者の署名のことです。
側款を刻するようになったのは、いつ頃からはじまったのかはよく分かっていませんが、文人趣味、篆刻作品を芸術としてとらえる意識が出来てからのことと考えられています。
時代としては、篆刻が頻繁に行われるようになった明時代です。
自分用に使用する落款印には側款を入れないこともありますが、人に贈る場合や依頼された場合は、側款を刻すのが一般的です。
側款を施す場所
側款は、印の左側面か手前に刻します。
長文の場合は、最所が側面ではじめるようにします。
側款に施す内容
はじめの頃は自分の刻であることをあらわすために姓名程度の簡単なものが、制作日、場所、印を依頼した人の名・号、目的など次第に文字数が増えるようになりました。
特に明確な定義はなく、趙之謙のように文字と肖形を風雅なおもむきに富んだ形で組合わせ、独自の側款を考える人もいました。
※一般的には制作者の名・号のみが一般的
誰かに贈ったり、依頼されたりする場合、相手のために刻ることになるわけですが、相手との関係性や刻る理由、いかに喜んでもらえる印を刻るかなどを考慮すれば、側款をより豊かな内容にすることが出来る可能性があります。
側款を自分流にアレンジすれば楽しみが増えるのではないでしょうか。
- 刻した年月日(いつ)年号・干支・月の異称
- 刻した場所(どこで)於・于を用いて刻した場所を表す
- 刻した人名(だれが)刻した姓名や字号
- 刻した理由(なぜ)依頼主など
- 刻した対象(何を)刻した詩文名
- 刻の方法・種類(どうした)
側款の彫り方
印刀は、篆刻で使用する印刀を使います。
側款は、単入刀法(一画の片辺のみを刻ること)で刻るのが一般的で、楷書に1行で刻る場合が多いです。
字を書くときと同じ筆順で刻ると流れがきれいに表現できます。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3