王鐸書法に興味のある方へ
王鐸とはどんな人?
1592-1652 中国河南省孟津に生まれ、字は覚期、あるいは覚之。
倪元璐と黄道周は、王鐸と同年の進士で、ともに翰林院に入り学問を学んでいました。
王鐸の書風・書道的背景
王鐸は、10歳前後から書道をはじめます。数年後には「集王聖教序」に取り組みます。
天賦の才能に恵まれ、その才におぼれることなく、晋、唐の書法を
「1日帖を臨し、1日、清索に応じ、これをもってあいまじえ、終身かえざりき」
とあるように、1日臨書し、1日創作するという態度を終生続けたといいます。
書道を学ぶ中心は、二王(王羲之・王献之)でした。
王献之の一筆書の書風をさらに徹底させ、数十字にわたる連綿書を長条幅に書き、独自の書風を生みます。
楷書による評価も高く、行草の董其昌・楷書の王鐸とも評されました。
楷書は鍾繇・顔真卿、行書は王羲之・王献之を習いました。
王鐸作品の書き方
臨書のポイント
- 臨書と臨書作品の違い
- 変化多彩な運筆法
王鐸作品には、連綿の勢いを行書草書に入れ、思うまま奔放に書き続けてゆく縦形式の作品が多くあります。
宋の4大家( そうのしたいか )といわれた蘇東坡、黄山谷、米芾、祭襄には、作品で縦形式のものは今現在見られるものは1点もありません。
これは王鐸を中心とした明末の書の特徴であり、とりわけ王鐸の長条幅は縦にぐんぐん連綿しながらも、一字一字が横へのひろがりを持っているところも特筆されるところです。
またおもむくままに筆が動いて縦の行がうねっていますが、軸を上手くはずして修正をし、心よく縦に流れを出しているところには驚きです。
筆使いも自然で、どんな書風にもすぐに応じられたようです。
王鐸の書のベースは王羲之であり、書聖といわれる王羲之の書が形を変えて蘇生したところに王鐸の書の強みがあります。
とくに行書の作品に影響を受けたものとして米芾があり、その臨書と創作を繰り返した中から、個性豊かな書を生み、形成しているところに王鐸の偉大さが感じられます。
そうした王鐸を中心とした明末の書は、日本の書道界および日本の会場芸術にも多大な影響を与えているのは言うまでもありません。
王鐸の代表作品
「詩巻(しかん)」
「臨褚遂良尺牘(りんちょすいりょうせきとく)」
「琅華館帖(ろうかかんじょう)」
その他、王鐸の次男・王無咎(おうむきょう)が法帖にした「擬山園帖(ぎざんえんじょう)」
王鐸関連の本
王鐸集 明 中国法書選 53
王鐸字典
王鐸 条幅名品選 3
王鐸の書法 条幅篇・巻子篇1・2・冊篇・琅華館帖
王鐸草書帖 擬山園帖本
王鐸 詩巻二種 書跡名品叢刊 41
王鐸行書詩巻
王鐸行草詩巻
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