仮名の美しさは、つながりのある流れやひびき、書道でいうところの「章法」「連綿」にあります。
仮名はもともと漢字の草書体から簡略化されて発達したもので、この仮名のおかげで文章構成がしやすくなります。
仮名の上達には、つづけ方を追求するだけではうまくいかず、まずは1文字1文字を正確に習い、その後2字、3字と続けた姿を練習します。
墨はあまり濃くせずに、少し薄めにした方がやさしさがでます。
またあまり紙面いっぱいにならないように空間をあけて、清楚である方がいいでしょう。
■調和体について
調和体(漢字かな交じり)の書写は、現代文を書写する上で一番大切なことであるといえます。
点画の多い漢字と省略を追求して完成した仮名、文字の構造として全く正反対の2種をどのように調和させ、美しく書くことができるか。
漢字(強く大きく)・仮名(やさしく小さく)ぞれぞれの特徴を主張しすぎると互いに調和しないので、いかに線質を共通させて、仮名と漢字が渾然一体にまとめることが大切なようです。
調和体というのは、特別な書体があるわけではありません。
万葉集など漢字、平がな、変体がなをうまく交えて、調和の美を追求します。
先にも触れましたように、漢字と仮名では形の大きさ・字画の多さが随分違うため、調和体の知識なく書きますと、一見してその不自然さが目立ってしまいます。
この不自然さを取り除いて、漢字と仮名を調和させるのが調和体の目的です。
■調和体の練習について
漢字は漢字、仮名は仮名というように分けないで一体になるように心がけて練習しましょう。
1.筆は、漢字と仮名の中間のものを使用します。分からない場合は、書道専門店に相談しましょう。
2.漢字の字数が仮名の字数より多い場合、漢字の趣きで仮名を書き、仮名の字数が多い場合は仮名の趣きで漢字を書きます。
3.漢字の次にくる文字には、大きな変体がなを使用しないようにします。
4.漢字から仮名へは無理に連続させないようにします。
5.程度にもよりますが、漢字の画を小さく、細めに書きます。
6.仮名の点画を太めに、やや大きめに書きます。
調和体を練習するときは、以上の6点に気をつけながら書いてください。