表具屋さんに裏打ちしてもらう際の注意点は?
裏打ちは、ほとんどの場合、表装屋さんに依頼するか自分で裏打ちするかのどちらかです。
自分で裏打ちして失敗する分には仕方ないにしても、お金を払って依頼したにもかかわらず、失敗したり、紛失されたりという残念な結果は避けたいものです。
今回は、書道作品の裏打ちを依頼する際の注意点をまとめてみました。
裏打ちを依頼する前に知っておくべきこと
書道をはじめて、練習を重ねていくと、作品発表など人前に書道の成果を披露するシーンがあると思います。
せっかくの作品発表の場ですから、書いたままのシワ状態ではなく、きれいにして発表したいものです。
そんなときは、お軸にしたり(軸装)、額に入れたり(額装)、裏打ちします。
書いた作品を軸装や額装する際、職人さんにしてもらう裏打作業。
「プロの職人に頼むんだから、任せておけばキレイに仕上げてくれるだろう。」
そんな風にお考えではないですか?
ほとんどの場合、美しく仕上げてもらえるはずですが、依頼する側が知っておかなければいけないことがあります。
それは、
この裏打ちという作業は、水を使用するということです。
水を使用するため、作品によっては、墨がにじんだり、散る場合があるんです。
では、どのような作品でそのようなことが起こるのでしょうか?
裏打ちに不向きな道具を知る
裏打は、作品を裏にして、水を吹き、刷毛で紙を伸ばしますが、その際に墨がにじんだり、散ったりすることがあります。
注意すべきは、筆圧をかけた墨だまり部分。
ハネやカスレの部分がにじむことはあまり無いようです。
裏打ち要注意の条件
液体墨を利用した作品の場合、「作品用」「制作用」と書かれた墨液を使用すれば、問題ありませんが、保存状態がよくない墨液や使用期限が切れた墨液を使った作品の裏打は、あまりオススメ出来ません。
子供さん用の安価な墨液は、専用の薬品を使って注意深く裏打しますが、紙との相性などの悪条件が重なるとにじみがでたり、散ることがあります。
このような墨液を使用した作品を専門店に依頼する場合は、お店に伝えておくとよいと思います。
その他、作品に筆ペンを使用していたり、水彩絵の具、顔彩、落款印を押す際に印泥を使わずに、スタンプを使用している場合も水で流れる可能性がありますので、同様に職人さんに何を使用したかを伝えてください。
以上が、表具屋さんに裏打ち、軸装、額装を依頼する場合の注意点です。
裏打ちしてくれる職人さんはプロですから、経験上言わなくても注意してくれるはずですが、上記のことを理解して、しっかり自己防衛することも必要だと思います。
書道の展覧会などで、たまに筆文字の一部にジワッとにじんだ部分を見かけることがあります。
書いているときのにじみとは明らかに違ったにじみです。
これは、裏打ちなど表装作業時の事故によるものです。
出品する作品は、表装することによって、完成します。
せっかく努力して書き上げた書道作品ですから、上記のことを踏まえて納得のいく、美しい作品に仕上げたいですね。
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