般若心経を写経し続けるとどうなるか?
般若心経を写経し続けるとどうなるか?
写経の道具を販売している筆者が疑問に思っていることがあります。
それは、写経をする前と後ではその人の変化があまりに大きいということ。
写経をすることで、人にどのような影響を及ぼしているのか実例を交えて書いています。
般若心経を写経する効用効果で疑問
写経の道具を販売させていただく仕事柄、般若心経を写経される方と多く接するのですが、不思議に思うことがあるんです。
それは写経される多くの方が、日増しに穏やかな表情、口調になるということ。
お会いするうち、私とお客さんとの心の距離が縮まっている、ということはあると思います。
でも、それを差し引いても明らかにはじめてお会いした時より穏やかになっている気がするのです。
なぜ写経をする人は穏やかになるのだろう?
宗教的なことは少し脇に置いて、(そもそも般若心経は宗派を問わないようです)般若心経を写経することによって「考えない練習」が出来ているのではないでしょうか?
今回は、写経が心に与える影響について考えてみたいと思います。
ストレスの影響とその対処法
日常生活において、日々のストレスは避けることが出来ません。
でも、避けることが出来るストレスがあるとしたら。。。
ストレスの原因は、周りで起こる出来事がキッカケとなりますが、過去の出来事を思い出したり考えたりすることで、再び感じるストレスも少なくありません。
朝起こった嫌な事をその夜に思い出して、また嫌な気持ちになる。
1つの出来事でストレスが発生し、その後、同じ出来事を思い出すことで、何回も何倍もストレスが増幅する。
同じ出来事で何度も苦しい思いをするのです。
自分の気持ちのモヤモヤを整理して、書き出して分類してみてください。
モヤモヤの根本的な原因は、意外に1つのことが原因だったということがあります。
般若心経の写経は276文字、画数の多い漢字をひたすら書き写す作業です。
かなり集中力が必要で、写経に集中している間は、雑念が入りにくい状況をつくります。
完全な「無」ではないにしても、集中して写経に取り組み習慣化することで、「思い出す」ことによるストレスをシャットアウトできているのかもしれません。
写経で救われた女性の話し
私の友人に写経に救われたという女性がいます。
彼女のパートナーであるアフリカ系の男性は、ある事故で植物状態になります。
「母国語を聞くことが刺激になり、回復することもある」という医師の言葉で、3人の子供たちを連れて、彼の祖国へ行くことを決意します。
しかし、それは彼女にとってつらい日々のはじまりでした。
言葉の壁に加えて、アフリカ社会に根強く存在する男尊女卑や家族との金銭トラブル。
何よりも愛するご主人は眠り続けたままの状態です。
数年後、ご主人が亡くなり帰国するまで、彼女は筆舌に尽くしがたい苦労を経験しましたが、そんな追い込まれた状況の中、救いの手を差し伸べてくれたのが、般若心経を写経することでした。
たまたま友人にもらった写経の道具を持ってきていたのです。
家族が寝静まってから、彼女は般若心経に向かい合って、書くことに集中しました。
「般若心経を写経する」ことに「集中する」
この時だけは、日常の嫌な事を忘れる事が出来たそうです。
マインドフルネスと写経
最近、マインドフルネスが注目されています。
世界的な企業が取り入れたことで、認知度が高まった言葉です。
マインドフルネスとは、今ここにただ集中している心のあり方で、主に瞑想を用います。
般若心経を写経することは、正にマインドフルネスです。
「今ここ」に集中することで、日常のストレスを減らすことが出来ます。
集中することで、「過去の後悔」と「将来の不安」から解放されるからです。
写経に集中することは、過去や将来に向きすぎた意識の偏りを今に正す作用があるのかもしれません。
お客さんの穏やかな表情や友人のエピソードは、「般若心経を写経すること」に確かな力があることを教えてもらいました。
写経を続けるちょっとしたコツ
日常生活においては、筆を使う習慣がないため、筆づかいに苦しんで途中で挫折してしまう人がおられるようです。
書道の達人のように、いきなりスラスラ写経出来るわけではありません。
筆に苦手意識を持っている人は、まず筆ペンからはじめてみてはいかがでしょうか。
なるべく入りやすく続けやすい環境をつくって、まずは1枚書き上げてみてください。
続けるコツは、うまく「書かないといけない」という執着を捨てることです。
「○○しなければいけない」と思うと、心が緊張状態になり、うまく書けなくなります。
「○○したい」という心の状態で写経するのが、最も適した心境です。
これは写経に限らず、日常の全てのことに言えると思います。
最後まで読んでいただいたあなたに、心の平安が訪れることを願っています。
書道専門 大阪教材社
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