シリーズでお届けする書道専門店でのエピソードストーリー、第2回目。
今回は、書道筆の羊毫短鋒筆(羊毛短鋒筆)についてです。
羊毫短鋒筆とは、穂先の短い羊毛筆のこと。
この筆の特徴やメリットを書道販売店の日常を絡めながらご紹介い
羊毛で穂先の短い書道筆である羊毫短鋒筆は、使いこなす上で、どのような特徴があり、どのように使うのでしょうか?
この筆を使う上で主なメリットは以下の4つがあげられます。
1.よい毛が使われていることが多い
2.太い線が出しやすい
3.墨含みがよい
4.扱いやすい
書道短編小説 短鋒の羊毛筆篇
書道筆の棚から羊毛の短鋒筆
インターネット通販の出荷の段取りを一通り済ませた15時過ぎ、
今日は空き時間を利用して、
書道専門店の店舗の中でも、筆の棚は、特にホコリがたまりやすい。
最近、掃除したはずなのに、
ホコリってどこから発生して、
筆を立てるための筆棚の凹みがホコリのポケットになって、
美しい店舗を維持するには、
お客さんが筆を手にとったとき、
さあ、掃除開始だ!
大きなホコリは掃除機で吸い取り、
窓からはやわらかな夕日が差し込み、その中をゆらゆらとホコリが舞っている。
普段はおっくうになってしまっている掃除や整理だが、はじめてみると、
A型っぽくないと言われる自分だけれど、普段現れないA型気質が
書道筆の棚を掃除する効用は他にもあって、
書道で使う筆は、機械製造出来ない繊細な工程によってつくられている。
1本1本筆職人の手作りであるが故に、まれに不良品が発生する。
筆棚掃除中、ふとある筆が私の目に留まった。
羊毛でつくられた穂の短い筆、羊毫短鋒筆だ。
穂先が寸胴型のシルエットで見ようによっては、
「この筆、最近あまり売れていないな。」
羊毛の短鋒筆は、昔はよく売れていて、需要の高い書道筆だった。
当時、売れるから多めに仕入れた在庫が、
毛質もよく、時間の経過を感じさせない良品だ。
羊毛短鋒筆の特徴
羊毛短鋒筆は、名前の通り穂が短い書道筆。
そのため、筆軸の角度を変化させるなどの技術に対応しにくい、
作品の中に変化を求める現代書には、
流行り廃りは世の常だが、書道の筆にもそれは存在し、
羊毛短鋒筆の利点
でも、羊毛の短鋒筆には、1本は手元に置いておきたくなるいくつか
それは大きく4つあって、
1.よい毛が使われていることが多い
2.太い線が出しやすい
3.墨含みがよい
4.扱いやすい
1.よい毛が使われていることが多い
短鋒筆は、読んで字のごとく短い毛を集めて筆にしているので、
長い原毛を必要としないハードルが下がる分、
消耗品の書道筆だからこそ、
2.太い線が出しやすい
ボテッとしたその穂は、
3.墨含みがよい
穂が短いので、長い線は出しづらいが、墨含みがよい。
墨つぎの回数を極力減らすことが出来るのは、大きなメリットだ。
4.扱いやすい
通常、羊毛筆はコシが弱いけれど、
比較的初心者の方にも扱いやすいと感じてもらえる書道筆なのだ。
以上、4点がこの書道筆をオススメする理由になる。
羊毛短鋒筆は、篆書・隷書・楷書・行書・
そんなことを考えているときに「はっ!」と我に返った。
掃除していたはずなのに、羊毛短鋒筆を握りしめて、
「一点見つめてフリーズしてるで。」
一緒に働いてくれている妻に、たまに
おそらく書道具で妄想にふけっているこの瞬間を目撃されているのだ
さあ、妻にツッコまれる前に仕事に戻ることにしよう。
書道ショートストーリー 第1回目 プロローグ
書道ショートストーリー 第2回目 羊毛の穂先短い書道筆
書道ショートストーリー 第3回目 おすすめの筆ペン
書道ショートストーリー 第4回目 淡墨の作り方
書道ショートストーリー 第5回目 落款印(雅号印)をオーダーする
書道ショートストーリー 第6回目 針切の臨書に適した小筆
書道ショートストーリー 第7回目 細光鋒の長い羊毛書道筆
書道ショートストーリー 第8回目 かな条幅の書道筆
書道ショートストーリー 第9回目 仮巻表装を依頼する
書道ショートストーリー 第10回目 額装された書道作品
書道ショートストーリー 第11回目 書道筆の洗い方
書道ショートストーリー 第12回目 半紙等の保存方法
書道ショートストーリー 第13回目 書道料紙を選ぶポイント
書道ショートストーリー 第14回目 色紙を書道用に使う
書道ショートストーリー 第15回目 竹筆の使い方 書道特殊筆
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ピンバック: 書道ストーリー はじめます。。 | 書道専門店 大阪教材社
ピンバック: 淡墨の作り方 | 書道専門店 大阪教材社
ピンバック: 落款印/雅号印を作成 | 書道専門店 大阪教材社
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ピンバック: 仮巻表装を依頼する | 書道専門店 大阪教材社
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ピンバック: 竹筆の使い方 | 書道専門店 大阪教材社
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