筆ペンを使ってみたいけれど、どんな筆ペンを購入すればよいのか迷うことはないでしょうか?
特に初心者の人にとって、筆ペン選びは、何を選んでよいか分からずなかなか困難な作業です。
今回ご紹介するのは、書道専門店がおすすめする筆ペン。
数ある筆ペンの中でどんな筆ペンが書きやすいのかご紹介いたします。
第3回目、書道専門店のエピソードストーリーの中で、書道屋の店主はどんな筆ペンをオススメするのでしょうか。
筆ペンメーカー:呉竹・あかしや
登場する筆ペン:
筆風サインペン 筆ごこち
完美王
あかしや新毛筆極細 墨色
番外編:
小筆 選毫円健 蘇州湖筆 金鼎牌
栗成 写巻
墨:玉品
硯:端渓硯 麻子坑4インチ
書道短編小説 おすすめの筆ペン篇
筆ぺンを使う前に
冬の寒い時期、店舗に出勤すると、ヤカンに水を入れてお湯を沸かすのが朝の日課になっている。
その間にあらかじめ電源を入れておいたパソコンを起動し、クロネコヤマトの送り状を作成するソフトと通信販売のご注文を管理する受注管理ソフトをスタンバイ。
朝までにいただいているインターネット通販のご注文を管理するために必要な事前準備だ。
入口のシャッターを開けて、木製の立体的な筆看板を表に出す。
だいたいこの頃にはお湯が沸くので、一旦仕事の手を休めて、お茶っ葉を入れたティーポットにたっぷりとお湯を注ぐ。
お茶をいれている間に、窓ガラスを磨く。
店の表側は、全面ガラス張りになっているので、なかなかの重労働で、拭きムラが無いように丁寧に磨く。
窓ガラスが拭けたら、ようやく自分の椅子に腰かけ、最近気に入っているグレーの小ぶりな陶器製のカップに入れたお茶で少し一服する。
朝の淡い光をたたえた静かな空間に1人、慌ただしい1日を迎える前の贅沢な時間だ。
カップ半分くらいを飲み終えた頃、徐々にエンジンがかかってきて、今日発送予定の配送伝票を作成にかかる。
お礼状を書く 筆ペン以外に使う道具
この朝の作業が2時間ほど、それが終われば、ご注文をいただいたお客様に1件1件お礼のお手紙を一筆箋に書く。
お礼状に使用するのは、一筆箋と筆ペンと落款印。
季節にあわせたご挨拶と感謝の気持ちを一筆箋にしたためる。
手書きのお手紙の最後には、自分の名前を書き、その下に自分専用の落款印を押す。
使用する印泥(書道で使用する専用の朱肉のようなもの)は、美麗という種類の濃い紅色。
あらかじめダンゴ状に練っておいた印泥を左手に持ち、右手に持った落款印を印泥にポンポン叩きつけると、印面は徐々に紅色に染まる。
印泥が落款印に適度についたことを確認してから、落款印を一筆箋に押す。
筆ペンで書かれた黒一色の一筆箋に、紅色の花が添えられたように華やかな印象になる。
所有している落款印は、お客様から譲っていただいたものが5点あり、それらを交互に使うようにしている。
一筆箋やはがき用に使う落款印は、6mm角から15mm角あたりが適当なサイズだ。
筆ペンでお礼状
お礼状に使う筆ペンは、奈良の墨メーカーであり、筆ペンメーカーとしても有名な呉竹の筆風サインペン「筆ごこち」と決めている。
筆ペンと書いたけれど、本当は筆ペンではなくサインペンだ。
このペンのよいところは、筆ペンで書いたような筆線が得られ、なにより書きやすい点にある。
お値段は、定価で200円(税抜き)と求めやすいのもよい。
お礼状は、1日で多い日で50枚くらい必要になるので、書きやすい筆ペンは大変重宝するのだ。
この一連の流れが、朝のルーチンワークになっており、パソコンを使うデジタル的な作業と手書きのアナログ的な作業の共存で日々の業務が成立している。
最近よく使う筆ペン
先に使う筆ペンを決めていると書いたけれど、実は最近、他にも書きやすい筆ペンを見つけてしまい、その筆ペンを使うことも増えてきた。
それは筆風サインペンの「筆ごこち」と同じ呉竹製の完美王という筆ペンだ。
この筆ペンは、先がよく利くので、思い通りの線が出しやすく、
振ったりつまんだりしなくても、適度なインクが穂先に運ばれるので、ストレスなく書き続けることが出来る。
毎日手書きするのは、お礼状以外にもう1つある。
それは仕事が終わって、夕食後に行う写経だ。
筆ペン以外でおすすめの道具
写経するときは、筆ペンで書くこともあるけれど、可能な限り墨を硯で磨って、墨のかおりを感じながら筆で書くようにしている。
写経には、
墨は墨運堂製の玉品、硯は端渓硯 麻子坑4インチのものが重宝しており、長年愛用している。
ただ外出しているときは、それらの道具を持ち歩くには荷物が増えて困ることがある。
そんなときは、筆ペンがありがたい存在となる。
筆ペンで書く写経
写経のときに使う筆ペンのお気に入りは、奈良筆のメーカーである、あかしや製の新毛筆極細 墨色だ。
使い切りタイプの筆ペンで、1本で7〜8枚の般若心経を書くことが出来る。
話しをお礼状に戻そう。
1日数十枚書くお礼状も、お昼までには書き終えてしまう。
これだけの枚数を楷書で書くのは大変だけれど、行書で書けば比較的スムーズに書くことが出来る。
さあ、お昼ご飯の用意をして、昼からの仕事に備えることにしよう。
書道ショートストーリー 第1回目 プロローグ
書道ショートストーリー 第2回目 羊毛の穂先短い書道筆
書道ショートストーリー 第3回目 おすすめの筆ペン
書道ショートストーリー 第4回目 淡墨の作り方
書道ショートストーリー 第5回目 落款印(雅号印)をオーダーする
書道ショートストーリー 第6回目 針切の臨書に適した小筆
書道ショートストーリー 第7回目 細光鋒の長い羊毛書道筆
書道ショートストーリー 第8回目 かな条幅の書道筆
書道ショートストーリー 第9回目 仮巻表装を依頼する
書道ショートストーリー 第10回目 額装された書道作品
書道ショートストーリー 第11回目 書道筆の洗い方
書道ショートストーリー 第12回目 半紙等の保存方法
書道ショートストーリー 第13回目 書道料紙を選ぶポイント
書道ショートストーリー 第14回目 色紙を書道用に使う
書道ショートストーリー 第15回目 竹筆の使い方 書道特殊筆
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