高野切第三種の特徴は?
整った字形格調の高い線が魅力、平安古筆の王者と評されるの高野切第三種はどのような特徴があるのでしょうか?
以下で解説させていただきます。
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高野切の名前の由来は?
作品名は、豊臣秀吉が高野山文殊院に一部にの断簡を寄贈したことに由来します。
「高野切」は、「こうやぎれ」と読みます。
「切」というのは、全部ということではなく、「断簡」ということです。
断簡とは、きれぎれになって残っている文書、文章の断片ということです。
高野切第三種の特徴は?
高野切は、現存する最古の古今集の写本です。
高野切には「第一種」「第二種」「第三種」があります。いずれも名筆ですが、中でも「第三種」は、字形が整っていて個々の文字が分かりやすく、連綿も伸びやかで率直な書きぶりであるために、初めて仮名を学ぶ人にも魅力が分かりやすく人気が高いです。
高野切第三種は、整った字形が最大の特徴です。
書道を深くされる方の中にとって高野切第三種は、整いすぎていてつまらないとする人もいるようですが、さらに深く書道を深める中で高野切第三種を再評価される方が多いようです。
「第一種」「第二種」「第三種」の中で、「第三種」は最も若々しく明快です。
整った平明な字形もさることながら、連綿の美しさ、伸びやかさが秀逸です。
高野切第三種 淡々とした筆運びの魅力は、過剰な装飾を嫌う日本人の美意識に訴えかけるものがあります。
料紙は、当時の麻紙で、紙面が品よく厚い感じで、全体に細かく雲母を撒いた高尚なものです。
高野切第三種の作者は?
古来から紀貫之の筆によると伝えられてきましたが、現在は紀貫之よりも後世の11世紀半ばに3人の名手によって分担書写されたとされ、それぞれの書風ごとに「第一種」「第二種」「第三種」と区別されています。
第三種で現存するのは、巻18と巻19の断簡です。
筆者は定かではありませんが、書の手本として珍重されてきた「粘葉本和漢朗詠集」などと同じ筆者ではないかと考えられています。
高野切第三種の臨書/書き方のヒント
- 詞書・作者・歌・左注の整った行書き
- 端正平明な書きぶり
- 草仮名で揮毫
高野切は、数人の手で書かれているので、同名でも書風が違います。
高野切第三種は、墨をたっぷりとつけて、しっとりと書きます。
墨継ぎを少なくして、筆を練りながら、すっと引き抜くようにゆるやかなリズムに乗せます。
このように書くことで、瑞々しく、しっとりとした静けさや明るい美しさが表現することができます。
筆は、先がよく利き、筆含みがよい小筆がおすすめです。
筆は、側筆に構えます。
字形は、多少右に傾きますが、概ね左右均等の筆圧です。
墨継ぎの回数を少なくし、墨がかすれて無くなりかけるくらいまで書きます。
高野切第三種の臨書にオススメの臨書用紙・料紙・筆
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