秋萩帖を臨書する前に
平安仮名の誕生前に生まれた草仮名の名品である秋萩帖、どのような特徴がある古筆なのでしょうか?
以下で解説させていただきます。
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秋萩帖の名前の由来は?
秋萩帖(あきはぎじょう)と読みます。
「あきはぎの~」という書き出しにより、「秋萩帖」と名付けられた草仮名の名筆です。
秋萩帖の特徴は?
10世紀末頃、草仮名(そうがな)の名筆である秋萩帖。
草仮名とは、漢字の草書体を表音文字として用いた仮名文字で、平仮名の前身です。
草書がさらに崩されて平仮名に近い文字がところどころに見られ、万葉仮名から平仮名へと移行する過渡期の字体として貴重です。
見どころは、曲線をいかした堂々とした筆運びです。
第1紙に書かれた2首は、書きぶりが傑出しています。
かなり崩れた草書なので曲線が際立ちますが、よく整った書風です。
飾りけのない字形が上品で、抑揚のきいた筆致がいきいきとしています。
第2紙以降は、第1紙の臨書であると考えられており、臨書の慎重さが垣間見えます。
第1紙よりも字粒は大きいですが、細身の線に冴えが無く、堂々としたところがありません。その点で第1紙よりも品格が劣ります。
但し、不明な点は多くあります。
古来から草仮名の随一の手本とされてきただけあって、1字1字、あいまいなところがなく堂々と書かれているのが大きな魅力です。
草仮名は、漢字の草書体の姿をした仮名のことです。
江戸時代には、良寛も秋萩帖を臨書して学んでいます。
秋萩帖には、和歌48首が1首を4行ずつに書写されており、巻末には王義之の手紙(尺牘)11通が臨書されています。
紙が継がれて巻子本(巻物)になっています。
薄藍・白・茶・代赭(たいしゃ)色などの料紙21枚が継がれており、全長846.5cmの長さです。
巻子本なのに「帖」と名付けられているのは、江戸時代に版刷りされて帖形式の手本として広く普及していたためです。
巻物の裏面の継ぎ目には、鎌倉時代に能書として名のあった伏見天皇の花押が書き込まれおり、天皇遺愛の品として知られています。
江戸時代に霊元天皇の所有となり、のちに有栖川宮家から高松宮家を経て、戦後に国の保有になりました。
秋萩帖の臨書 書き方のヒント
- 草仮名の習得
- 古雅でおおらかな書風
- 濃淡の変化による奥行き
秋萩帖の筆者は?
第1紙と第2紙以下では、料紙も書風も異なっています。
第1紙は、小野道風(おののみちかぜ)の筆、第2紙以下は、藤原行成(ふじわらのゆきなり)の筆と伝えられてきましたが、はっきりしたことは分かっていません。
伏見天皇の花押が、巻物の紙背の継ぎ目に書き込まれています。
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