虞世南の書風や特徴は?
孔子廟堂碑の作者として知られる虞世南(ぐ せいなん)は、どのような人物で、どのような書風だったのでしょうか?
虞世南の人物像/性格
558-638年
代々南朝に仕えた名門の出身。浙江省の人。
4歳のとき父を亡くし、陳の中書侍郎であった叔父の嗣子となります。
「玉篇」の編者として著名な顧野王に、兄の虞世基とともに十数年学問を学びます。その他、文章を徐陵に学ぶなど、当時の江南文化の粋を身につけました。
陳のとき、文帝に学識を認められ、建安法曹参軍、西陽王友になりました。
陳の滅亡後は、兄の虞世基と一緒に隋の都である長安に行き、ともに才能を評価されます。
隋の煬帝も兄弟の才能を認めましたが、虞世南の厳正な性格を嫌い、煬帝の下ではあまり出世することが出来ませんでした。
のち、太宗の下で、弘文館学士となります。
弘文館では、欧陽詢とともに書の指導にあたります。
当時、虞世南は奥ゆかしく含蓄に富んだ点を周囲から高く評価されています。
虞世南は、外見は柔和でしたが、厳正な性格をもっていて、太宗に過ちがあれば、顔色を変えて諫め、議論すれば1つの失言もなかったそうです。
虞世南の書風/特徴
欧陽詢、褚遂良と共に初唐の三大家の1人に数えられ、太宗の保護のもとで書の黄金時代を築きました。
王羲之の書をよくした智永に師事し、王献之の書法も習得したといわれています。
虞世南の書は、おだやかで暖かみがあり、ひかえめです。
虞世南の楷書
虞世南の楷書作品として最も有名なのは、「孔子廟堂碑」です。
九成宮醴泉銘・雁塔聖教序とならんで唐代の最高傑作です。
孔子廟堂碑の特徴としては、おだやかで品があります。
虞世南の書は、たいへん品格が高く、伸び伸びとしていて、静かで、嫌味やクセがありません。
1字ごと誠実に心をこめて書いたという印象です。
これは、この碑が勅命を受けて書いたものであり、内容が孔子の徳をたたえた文であることがおそらく大きな理由ですが、同時に虞世南の温厚で謙虚な人柄が素直に表現されています。
虞世南の作品
孔子廟堂碑 楷書
昭仁寺碑 楷書
汝南公主墓誌銘稿 行書 ※米フツの臨書とも言われています。
積時帖 ※米フツの臨書とも言われています。
破邪論序 小楷
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