礼器碑を臨書する前に
礼器碑は、隷書のお手本として大変重要な資料です。
臨書に取り掛かる前に、礼器碑の詳しい内容に触れてみたいと思います。
礼器碑の読み方
「礼器碑」は、(れいきのひ)と読みます。
らいきのひ・れいきひと呼ばれることもあります。
礼器碑ってどんな碑?
漢代は隷書の全盛期で、300年を経て、後漢時代に字体としてほぼ完成しました。
書道の字体として非常にすぐれたもので、篆書に代わる公用文字として使われました。
初期のものを古隷、後漢代のものを漢隷と呼んでいます。
正式名称は、「魯相韓勅造孔廟礼器碑」(
山東省の孔子廟内に造立されました。
※孔子廟 儒教の祖の孔子を祀る霊廟
碑文は桓帝の永寿2年(156年)、魯相の韓勅の功績を述べたもので、
裏は3列・各列17行、右側は4列・各列4行、左側は3列・
結体は方整で精妙、温雅な線を主調として、
礼器碑を臨書するにあたって
礼器碑は、上品で清々しい作風です。
臨書のポイントは、変幻自在な運筆と精妙な結構です。
安定した扁平に近い四角形、線は太くなく、
やや細い線、動きの激しい筆づかいで、清楚に洗練されています。
使用する筆は、兼毫筆で先にあまり肉がつきすぎていない腰の強い筆がおすすめです。
筆の構えは、直立に近い側筆がよいでしょう。
運筆は、「張遷碑」より早くし、活発に緩急をつけて書きます。起筆を蔵鋒にします。これは隷書の運筆上、必ず守るルールのようなものです。
蔵鋒は、起筆から進行方向とは逆に穂先を使って線を入れ、線の中に穂先を隠します。 筆先が線の外に表れないため、線の両端が必然的に丸みを帯びます。
運筆速度は、楷書を書くときと同じくらいで問題ないです。
筆の持ち方は、単鉤法・双鉤法いずれでもよいです。
筆管を持つ位置は、楷書を書くときと同じくらい、真ん中よりやや下くらいがよいです。
墨は、漢隷は濃墨で書いたとされていますので、臨書では濃墨を使う方がよいです。
淡墨では線が軽くなるので、隷書の良さを表現出来ません。
線は、厚く太くを意識します。筆先が画の中心を通るように書く(中鋒)と、丸み、厚くなり、落ち着きがでます。
字形は、扁平な四角形にまとめますが、
お手本の拓本は、字が固く見えるので、
礼器碑全文(前半一部)
惟永寿二年,青龍在涒叹,霜月之灵,皇極之日。鲁相河南京韓君,追惟大古,華胥生皇雄。
顔母育孔宝,俱制元道,百王不改。孔子近聖,为漢定道。自天王以下,至于初学,莫不冀思,
嘆仰師鏡。顔氏聖舅,家居鲁親里,并官聖妃,在安樂里。聖族之親,禮所宜異。復顔氏并官氏邑中繇發,
以尊孔心。念聖歴世,禮樂陵迟,秦項作乱,不尊图書,倍道畔德,離敗聖舆食粮,亡于沙丘。
君於是造立禮器,樂之音符,鍾磬瑟鼓,雷洗觞觚,爵鹿柤梪,笾柉禁壺,修飾宅廟,更作二舆,
朝車威熹。宣抒玄污,以注水流。法旧不烦,備而不奢。上合紫臺,稽之中和,下合聖制,
事得禮儀。於是四方士仁,聞君風耀,敬咏其德,尊琦大人之意,卓尔之思,乃共立表石,紀傳億載。其文曰,皇戯統華胥,承天画卦。
顔育空桑,孔制元孝,俱祖紫宫,大一所授。前闿九頭,以斗言教,後制百王,獲麟来吐。制不空作,
承天之語。乾元以来,三九之載,八皇三代,至孔乃備。聖人不世,期五百載。三陽吐图,二陰出谶,
制作之義,以俟知奥。於穆韓君,獨見天意,復聖二族,卓越絶思。修造禮樂,胡辇器用,存古旧宇,
殷勤宅廟,朝車威熹,出誠造更,漆不水解,工不争贾。深除玄污,水通四注。禮器升堂,天雨降澍。
百姓訴和,挙国蒙慶。神灵佑誠,谒敬之報。天與厥福,永享牟壽。上極華紫,旁伎皇代。刊石表銘,
與乾運耀。長期荡荡,於盛復授。赫赫罔窮,聲垂億載。
韓明府名敕字叔節。故琢郡大守鲁麃次公五千。故従事鲁張嵩眇高五百。
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