孟法師碑の特徴は?
褚遂良の孟法師碑は、楷書のお手本として大変重要な古典です。
孟法師碑の特徴や臨書する際のポイントなどをみていきましょう。
孟法師碑の作者は?
孟法師碑の作者は、褚遂良(596年-658年)です。
褚遂良は、唐代の書家であり、政治家です。
優秀だった褚遂良は、41歳という若さで太宗に仕えます。
虞世南と欧陽詢とあわせて初唐の三大家と言われていますが、その中で褚遂良はかなり後輩にあたります。
彼の書道のベースは、王義之を学びつつ、陳・隋・唐の書法です。
褚遂良のその他の作品
伊闕仏龕碑(いけつぶつがんのひ)楷書 褚遂良46歳時の楷書。彼の書碑の中では最も大きい。
房玄齢碑(ぼうげんれいひ) 楷書 褚遂良55歳時の楷書。晩年期の作品。
雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ) 楷書 褚遂良58歳時の楷書。晩年期の傑作。
枯樹賦(こじゅのふ) 行書 褚遂良35歳時の書。小字作品で雁塔聖教序の面影あり。
文皇哀冊(ぶんこうあいさく) 行書
倪寛賛(げいかんさん) 楷書 虞世南の傑作である孔子廟堂碑にも劣らない楷書作品
孟法師碑の特徴とは?
孟法師碑は整った字形でありながら、冷たさがありません。
字や線の形が少し丸みがあり、線に変化があることで暖かみを感じます。
孟法師碑の線は、深みがあり、きめ細かでしなやかです。
起筆の角度や送筆での筆圧の加減を微妙に変えて、複雑に表現しています。
字形は正方形で重心は低めです。
偏と旁は、広めに間隔をとり、ゆったりとしています。
孟法師碑の臨書は、特に書道初心者の方におすすめです。
孟法師碑を臨書するにあたって
筆は、兼ごうがよいですが、柔らかい筆に慣れておられる方は軟毛でも可能です。
筆の構えは側筆です。
字形は比較的扁平にし、角張らないように注意してください。
点・線の間隔は、概ね均等に配置します。
線は丸みをつけます。
筆は垂直におろし、終わりは筆の腹を十分につけるようにおさえ、筆を上へ引き上げるようにします。線の中ほどに力と筆勢を加えると、線に丸みがつきます。
運筆は活発に、緩急をつけて筆の進む方へ、はじきだしたり、終わりをおさえこんだりします。
抑揚もつける。
行書を書くような感覚で、軽く書きます。
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