扇面の書き方 書道
書道において、扇面に書くのは、慣れていない方には難しいと感じると思います。
普通に書こうとすれば、通常の書道用紙の平面とは違い、凸凹の扇面に書きづらさを感じてしまうからです。
扇子に文字を書くには、どういう書き方をすればよいのか?
今回は、扇面の書き方について、解説させていただきます。
扇面に書く6つのポイント
- 絵が描かれている場合、ふさわしい漢詩や和歌を余白に書く
- 折り目には書かない。畳んだ時、外から何も書かれていないかのように書く
- 扇の骨を留める「要」に向かって書く
- 上が広く下が狭いので、上の方に文字を配置する
- 漢詩など書く時は各行の字数を変えたり、字形を段々小さくしたりして隔行に変化をつけて工
夫する - 扇面の左右の余白は、全体を少し右寄りに、終わりの余白が少し多すぎるくらいのほうがよい
扇の歴史
団扇(うちわ)は中国で発明され、その後、団扇は日本に輸入され、改良されたのち、折りたたみ開閉できる扇子が発明されました。
はじめは檜の薄板で作られた檜扇(ひおおぎ)でしたが、やがて紙で作られるようになります。
折りたたみ式の扇は、平安末期にはすでに中国に逆輸入されています。中国では明代から扇面に書くことが盛んになり、名品が残っています。団扇を「宇知波」といい、「宇知波」は「うちは」であり「うちわ」であります。
扇は暑い時に涼をとるだけのものでなく、本来身だしなみとして用いていました。
古人にとって、扇に画を描き、書を書いたりして、実用品であり同時に絵、漢詩、和歌、書を鑑賞する芸術品でもありました。
古来よりいろいろ決まりごとがありますが、各々自由に書けばよいと思います。扇面に書いてみるとまた新しい書の発見があるかも知れません。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3