書道で自分で気づいていない癖チェック
書道の練習をする中で、自分では意識しないうちに変な癖がついて、知らず知らずのうちに正しい書表現の妨げになっている場合があります。
そんな誰にでも起こりえる癖について、考えてみたいと思います。
書道をされていて「自分にも癖があるのでは?」と思う方は、以下の5つのポイントをチェックしてみてください。
執筆法(筆の握り方)の癖
書道は、手で書くものだという先入観が抜けていない、ということはないでしょうか?
どうしても手に力が入り、手首を動かして書いてしまう方がおられます。
特に縦線を引く時など、上から見て親指がくの字に曲がっている人は要注意です。
この形になっている方は、無意識に指先に力が入っています。
これは書道する上で、良い動きの妨げになりますので、意識的に直すようにしましょう。
筆の持ち方は、懸腕直筆で書くことが望ましいです。
つまり腕全体を机の上などに置かず、持ち上げた状態にし、筆をまっすぐ立てて書くようにするということです。
以下の3点に注意して書いてみてください。
- 手首は緩めないようにして、固定し親指を上げ気味に添えます
- たなごころ(手首から先で、手を握ったときに内側になる面)を閉めないで、卵一つ分あけます
- 親指以外の指同士が密接して、筆管にかかっていなければ筆圧はかかりません
癖の原因、うまく書けない原因は、自然と力を入れてしまう持ち方による場合が多いです。
姿勢(筆をとる構え方)の癖
書いた作品を検討するだけでなく、その書き方、姿勢も大変重要です。
書くときの姿勢の癖で、最も多い特徴は、「体を動かさないで書く」ということです。
肩がこる人は、その癖が身についていることがあります。
書道は、動きの芸術です。心技が一体となって、はじめてよい書道作品ができます。
心の動きを正しく筆に伝わるためには、体を楽な状態に保っておく必要があります。
ですから、いつでも動ける状態にしておくことが望ましいのです。
- 手を前に伸ばして、書く時にできる空間はゆったりしているほうが良いです
- 下の方になるほど右ひじが曲がり、窮屈な書き方になります
その場合紙を動かすか、自分が後方に下がるようにして書くようにします - 机と体、椅子の背もたれとの空間をとりましょう
- 肘を左において書く場合、できるだけお手本に寄りたい心理がはたらきます。
結果的に1行目はゆったりと、2行目は窮屈になり、行が左へ流れ、縦線が左へ傾くことになります。
行書・草書を書く時の癖
1文字ごとに墨をつけて書く癖です。
1字の中で何度も筆先を整えて書くと、当然脈絡のある表現はできません。
書いている最中、お手本を何度も見る癖はどうでしょう。
慎重とはいえ、書作にあたっては、その都度筆を止めることとなり、結果的に一番大切な動きを止めることになってしまいます。
同じ大きさ、同じ幅、同じ高さに書いてしまう癖。
癖とは違うかもしれませんが、変化なく四角四面な字形には、書道作品に山場となるものが表現できません。
何度も墨をつける癖
何度も墨をつけないと、すぐにかすれてしまうということはありますか?
第1に考えられる原因は、筆がおりていないことにより、墨含みが充分でなく、すぐにかすれてしまうということです。
次に墨量が充分でないために、すぐに墨をつけないとかすれてしまう。
墨をつけても、硯の端で絞るのは意味がありません。
最後に、用途にあった筆を使用していない可能性があります。
例えば、条幅作品を書くのに、半紙用の筆を使っている場合があります。そのような間違いが起きないように、その都度先生に確認するか、書道専門店で相談してください。
字が大きくなる癖
「字が大きすぎる」と言われることはあるでしょうか?
1.腕や肩に力が入りすぎると、無駄な動きが字を大きくしてしまいます。
2.筆先より筆の腹を多用しているかもしれません。書くときの筆の角度を確認してみてください。
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