温泉銘とは?
温泉銘は、作者である太宗(たいそう)が王者にふさわしい雄大で躍動的に書いた行書作品です。
行書の古典作品の中でも傑作の1つです。
温泉銘の内容
648年 唐 太宗の行書作品
太宗の書による碑は、魏鄭公碑・晋祠銘・
晋祠銘が書かれた翌年の書と推定されています。
温泉銘の意味について、太宗は長安の東に温泉宮を建てたのですが、その温泉の効能をたたえた碑ということで、この名がついています。
この碑は、宋の時代までは存在していた記録がありますが、
清の時代にフランス人のペリオによって敦煌から唐の時代の拓本と
温泉銘の作者・唐太宗はどんな人?
唐の太宗(たいそう)は、唐の第二代目の皇帝についた人です。
父李淵(高祖)と共に唐朝の創建者であり、広大な国家の体制を整え、「貞観の治」と呼ばれる太平の世を築きました。
中国史上屈指の名君の一人と称えられています。
書道に関しては、王羲之の書に傾倒し、その普及につとめました。
弘文館を設置し、虞世南、歐陽詢に命じて国家のエリートに徹底して楷書を伝授させます。
太宗自身も虞世南に師事して書道を学び、太宗の作品として有名な「晋祠銘」と「温泉銘」という行書作を残します。
どちらも当時の建碑の標準が楷書であったのに対し、この2点は行書です。
太宗が書道を奨励することで、歐陽詢・虞世南・褚遂良・顏真卿・柳公權・懷素・張旭・孫過庭・李北海などの優れた書家がうまれたと言って過言ではありません。
太宗は、その後の中国書法史に絶大な影響力を残した人物と言えます。
温泉銘の特徴
字形は縦長で左右に傾斜をつけ、
王羲之の影響がベースにありながら、
温泉銘の臨書/書き方
- 筆の抑揚を駆使したスケールの大きい書
- 根底には王羲之の書を感じます(王法)
自由で伸びやか、変化が大きいのが特徴です。
運筆を軽やかに大きくし、緩急抑揚を意識して書いてください。
筆は柔らかめの毛で、構えは直筆と側筆を使い分けます。
字形は様々に変化しますが、概ね縦長です。
線は潤って厚いので、墨液は十分に含ませて、練って粘り強い感じの運筆を心がけます。
筆脈は、太宗の人格を象徴するように大らかなリズムで書きます。
温泉銘 全文
順次加筆予定です。
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