十七帖(王羲之書)とは?
十七帖は、書聖・王羲之の草書で書かれた尺牘29帖を集めたものです。
※尺牘(せきとく 書簡や手紙)
草書を学ぶ人に最良の古典といわれる十七帖とはどのようなものなのでしょうか。
十七帖について
十七帖(じゅうしちじょう)は、東晋・王羲之の草書作品で、巻首の「十七日」をとって十七帖とよばれています。
蜀(四川省)在住、太守の周撫に宛てたとみられる書翰29通を集刻した単帖です。
十七帖は、唐の太宗皇帝が王羲之の書跡を分類整理したものです。太宗は十七帖の複製をつくらせ、弘文館の学生の手本に使わせます。
現存する刻本は、この複製や臨書からつくられたものです。
この本は文章も書もともによく、有名だったために多く覆刻を重ねたもので、原跡は早くになくなってしまったようです。現在のものはいずれも何度も覆刻を重ねたもので、真跡の細かい筆の味は失われてしまっています。また異本が大変多く存在します。
- 祖本(不明)
- 館本
三井本 宋拓本。貫名菘翁、日下部鳴鶴らを経て三井氏聴冰閣に落ち着いた
上野本 宋拓本。上野氏有竹斎に所蔵される
王穉登本
開封博物館本(馮鉎旧蔵)
上海博物館本(呉寛旧蔵)
欠十七帖(魏道輔跋)本
―影印本(書道博物館蔵本)
―戯魚堂帖本
―来禽館本
―欝岡斎本
―別刻本(清雅堂)
―餘清斎本
―式古堂本
―米芾臨本(明刻宝晋斎帖 白雲居米帖)
―有正書局石印本(別刻)
―文徴明釈文本
―董其昌(とうきしょう)臨本(宝鼎斎帖)
―宋拓宝晋斎帖(欠 来禽帖)・明刻宝晋斎帖本秋刻入(十二月二日帖) - 賀監本
―沈芥舟本
―修内司本
―河南本(残石十五帖)―各種影本
―孫過程跋本―翻刻本
―唐人双鉤褚遂良釈縮本
―林宗兵衛翻刻本
十七帖の特徴
十七帖は、草書の古典でも最もすぐれたものの1つです。
力強さがあり、威厳がある中に、変化の妙や趣きを感じます。
十七帖の臨書 書き方のヒント
- 点画の確かさ(離し方・接し方・交わり方)
- 筆の弾力による力感のある曲がりや折り返し
- 線の太細や文字の大小の自然な展開
始筆は筆を立てるように、1点1画の角度を一定にし、筆圧を強くかけて、点や線を明確に書きます。
点や線に膨らみと潤いをだし、角をよくきかせ、筆勢を強くします。
字形は、おおむね上部を左右に張って広くし、下部がひきしめられています。
筆は、中鋒か長鋒の柔らかい毛か硬めの筆どちらでも可能で、扱いやすい方を選びます。
字にあわせて、やや太めの筆が適してます。
筆の構えは、側筆で。
字形は、さまざまに変化しますが、上部を左右に張って下を引き締めます。
転折が不自然と言われているところがありますが、そこは筆をバウンドさせるようにしながら、はずみをつけて伸びをつくっていきます。
十七帖の全文
順次加筆いたします
十七帖の釈文
順次加筆いたします
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