何紹基 清代の書家
何紹基ってどんな人物?
何紹基(かしょうき 1799-1873年)は、清代の書家であり、詩人・学者でもあります。
幼い頃から作詩に取り組み、書にも熱心な人でした。
字:子貞
号:東洲
晩号:蝯叟(えんそう)
何紹基の書法特徴
何紹基の書風の根底には顔真卿があり、北碑から篆書隷書・鐘鼎文字にさかのぼって広く学びました。
それは何紹基が篆書隷書が全ての書体の基本であると確信したからで、晩年漢碑を何度も臨書したのも、その実践によるものです。
楷書は、「黄庭経」「麻姑仙壇記」に力を入れ、大字から小楷までゆったりとした独自の書風です。
行書・草書は、顔法(顔真卿の書法)を基本にし、北碑のいかめしい険しさと漢隷の趣きが加味され、当時飛びぬけてすぐれていました。
60歳を超えると特に隷書に取り組み、「礼器碑」「石門頌」「乙瑛碑」「史晨碑」「衝方碑」などにわたりますが、特に「張遷碑」に注力し、その臨書は100回以上にも及んだそうです。
何紹基が臨書した「張遷碑」は、「中国法書選57 何紹基集」に掲載されています。
何紹基の臨書 書き方のヒント
柔毛の長鋒を使った運筆
筆は短鋒が向いています。(作品によっては柔毛の長鋒)
やや縦長の造形が特徴で、単体が多く、独特な書風に魅力があります。
味わいのある文字造形で、学ぶ方向性としては面白いですが、隷書の基礎や宋代の書風を念頭に学ぶことが必要です。
おおらかな線状の中に確かな書造形を見逃さず、ゆったりとした気持ちで臨書することが大切です。
何紹基の作品
- 行書四屏ぎょうしょしへい 行書 晩年の代表作。ねばりのある線
- 山谷題跋語四屏さんこくだいばつちゅうのご 行書 壮年期の代表作。
- 七言聯しちごんれん 行書
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3
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