文徴明の書 明の書家
文徴明ってどんな人?
文徴明(ぶんちょうめい1470-1559年)は、明代に活躍した文人です。
名:壁
字:徴明
のち:名 徴明 字 徴仲
号:衡山
詩書画の評価が高く三絶と言われます。
近世文人画を完成した呉派の大家で、中国では画人の方に比重が置かれます。
沈周・唐寅・仇英とともに明代四大家と言われます。
文徴明は8・9歳頃まで、発育が悪く言葉が遅れていましたが、父が教育に力を注ぐ中、次第に頭角を現します。
当時超一流の人物だった呉寛(古文)、沈周(画)、李応禎(書)に学びました。
性格はまじめで、機転のきかなかったが温厚誠実で信望が厚かったと伝えられています。
文徴明の青年期は、唐寅(とういん)や祝允明(しゅくいんめい)徐禎卿(じょていけい)らと交流があり、この4人を呉中の四才人と言われました。
著述に『莆田集』があり、詩文の代表作に「西苑詩」が挙げられる。
文徴明の書法
宋・元の書を学び、後に晋・唐の書を学びましたが、趙 孟頫(ちょうもうふ)からの影響が強い傾向があります。
行書・草書作品は、王羲之の集王聖教序や智永の真草千字文に基づくとされています。
小楷は、王羲之の黄庭経・楽毅論に基づきます。
長条幅は、黄庭賢風の大字の行書・楷書もみられます。
当時、隷書作品も有名でしたが、文徴明の代表作として残る隷書作品はありません。
文徴明の臨書 書き方のヒント
- 王羲之から趙孟頫へと続く正統書法の継承
- 精妙で鋭い起筆
筆は軟毛の羊毛筆を使用します。
書造形としては縦長でやや背勢、懐が広い文字が特徴です。
あまり癖がない文字造形で確かな書法を習いたいところです。
千字文などあまり誇張されていない作品が多く、とても習い易いです。
文徴明の作品
- 黄庭堅書伏波神祠詩巻ふくはしんししかん 行書 62歳の書
- 刺客列伝しかくれつでん 細楷書 63歳の書
- 詩幅・南楼傷春詩しふく・なんろうしょうしゆんし
- 真賞斎銘しんしょうさいめい 小楷 88歳のときの書
- 陶淵明飲酒二十首とうえんめいいんしゅ 行書草書 85歳の書
- 赤壁賦せきへきのふ 草書 87歳の書
- 草書千字文そうしょせんじぶん 草書 76歳の書
など
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3
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