興福寺断碑を臨書する前に
興福寺断碑の内容
読み方は、興福寺断碑(こうふくじだんぴ)です。
721年唐の興福寺の僧大雅が、王羲之の行書を集字して建て、明代に発見されて現存する碑です。
発見された際、すでに断裂していて上半が消失していたため、興福寺半截碑ともいいます。
王羲之の書の集字の中では、集王聖教序(しゅうおうしょうぎょうじょ)とともに集字碑の代表作です。
王羲之の興福寺断碑は、集字聖教序や蘭亭叙とともに、王羲之の書法を解明する上で、最も貴重なものの1つです。
興福寺断碑と集字聖教序の比較や碑銘に関して話題が豊富です。
このことからもこの碑の魅力の大きさをあらわしているのかもしれません。
興福寺断碑の臨書 書き方のヒント
興福寺断碑は、集字者の大雅が興福寺の僧であるところから、興福寺碑と呼ばれ、発見時すでに断裂して下の部分を存するのみでした。
集字聖教とともに双璧をなし、王羲之研究にはとても重要な資料です。
臨書するにあたり、王羲之の全く無駄のない美しい行書を形臨することが重要です。
ともすれば線が軽くなりがちなので、線の軽重にも注意をはらい、清らかで済んだ王羲之の書法を繰り返し臨書してください。
「集王聖教序」より気脈が通り、王羲之行書の結体を覚えるのに最適です。
「集王聖教序」と対比して臨書することで、より王羲之書法を理解できるかと思います。
興福寺断碑の線質は、「集王聖教序」よりも穏やかでゆったりしています。
筆圧は、「集王聖教序」よりも変化がなく、太くて重く見えますが、終筆まで緊張がゆるむことのない力感があります。
結構は、ふっくらとした豊潤さがあります。
2字同じ文字が重なる箇所は、それぞれ意図的に変化をつけています。
蘭亭叙と共に書聖王羲之を習うのに最適な範本であることは間違いありません。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3