石鼓文とは?
石鼓文は、戦国時代の秦のものとされ、唐のはじめに発見された刻石です。
太鼓に似た形の石(石鼓)に、狩猟に関する四言詩(1句4字の詩)を刻したものです。
石鼓は10個あり、大きさは一定していませんが、髙さと直径は約60cmです。
10行前後、行ごとに6~8字です。
現存する中国の石刻文字資料としては最古のものです。
発見された当時から注目され、現在は北京故宮博物院に展示されています。
石鼓文の特徴
左右相称の整斉な字形です。
書風は金文の味わいが消えて、極めて方整ですが、小篆よりも形が古く、大篆の典型とされています。
奇異で古めかしいのですが、素朴ななかに、整っていて上品で美しい書体です。
呉昌碩が石鼓文の臨書をよくし、現在でも篆書を学ぶ上で重要な古典です。
- 吾車鼓(6字11行・19句)狩の序盤を描写した詩がつづられる。
- 汧殹鼓(7字9行・17句)土地の豊かさを称えた詩がつづられている。
- 田車鼓(7字10行・18句)狩の情景を描写した詩がつづられる。
- 鑾車鼓(7字10行・18句)狩が終わって喜ぶ情景をつづられている。
- 霝雨鼓(6字11行・18句)雨の中を帰る人々の姿がつづられる。
- 乍原鼓(7字11行・句数不明)破損を免れた1行下段の「□乍原乍」が通称の由来
- 而師鼓(6字11行・17句)3行目末尾の「而師」が通称の由来
- 馬薦鼓(5字8行・句数不明)詩の解釈不能
- 吾水鼓(5字15行・20句)冒頭「吾水既瀞」に由来
- 呉人鼓(8字9行・句数不明)冒頭「呉人憐亟」に由来。呉人(野守)が自然に感謝する描写
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3
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