源氏物語絵巻について
源氏物語絵巻の解説
源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき)
藤原伊房・藤原雅経・寂蓮らの筆によると伝えられています。
絵は藤原隆能と伝えられています。
縦22cmで、料紙は斐紙(ひし)を使用。
名古屋の徳川家に3巻
徳島の蜂須賀家に1巻伝えられていた他に、切が少しあります。
徳川家の3巻は、現在徳川美術館に所蔵、蜂須賀家の1巻は、五島美術館に保存されています。
「横笛」「鈴虫」「夕霧」「御法」の詞には、題詞を「よこぶえ」「すゞむし」「ゆふぎり」「みのり」と書いています。
「柏木」「横笛」「鈴虫」「夕霧」「御法」は、歌を散らし書きにしているばかりでなく、本文も散らし書きにしています。
散らし書きは行を詰めて書いているばかりでなく、行を重ねて書いています。
源氏物語絵巻の特徴
藤原伊房が書いたといわれる詞の書風は、字形が丸く、線は繊細です。
藤原伊房の「藍紙本万葉集」の強く厳しい書風とは全く異なるので、藤原伊房は筆者ではないと考えられます。
藤原雅経が書いたと言われている詞の書風は、藤原雅経の「熊野懐紙」に似ていますが、真跡と判断するのは難しい。
寂蓮が書いたといわれる詞の書風は、寂蓮でよく似ています。
絵は大和絵の作絵で、描写は細密にして非常に優雅です。
人物の顔は、引目鈎鼻に描き、屋内は吹抜屋台に描いています。
次の項では、源氏物語絵巻の具体的な装飾内容について触れます。
源氏物語絵巻は、書と絵が巧妙で素晴らしいばかりでなく、料紙も華麗なので、
最もすぐれた絵巻物として尊重されています。
源氏物語絵巻の装飾
源氏物語絵巻の装飾は非常に華麗です。
染色・ぼかし・金泥・銀泥・緑青・代赭・薄墨で下絵や模様・葦手を描く
具引きをして雲母で型模様を摺って表す・梅の花の形を白抜き・薄様を蝶の形に切って貼る
金銀の砂子を撒く・大小の切箔・裂箔
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