蜀素帖とは
蜀素帖の作者は?
蜀素帖(しょくそじょう)は、北宋時代の書家・米芾(べいふつ)が書いた行書の名品です。
米芾は38歳という若さですが、すでに独自のスタイルを確立し自信に満ちあふれた書きぶりです。
蜀素帖の内容
蜀素帖は、1088年、自作の詩を林希(湖州知事)の依頼に応じて書いたもので、米書にして第二なしと評される米芾の代表作です。
蜀素帖の原本は、台北の故宮博物院に現蔵されています。
米芾自作の詩8首を71行に書いています。
擬古(五言古詩)2首
呉江垂虹亭作(七言絶句)2首
入境寄集賢林舎人(七言律詩)1首
重九会郡楼(七言律詩)1首
和林公峴山之作(五言古詩)1首
送王渙之彦舟(七言古詩)1首
蜀素帖の意味
蜀素帖の名前の由来・意味は、紙ではなく蜀(四川省)製の素(しろぎぬ)に書かれているところからきていますが、烏糸欄をも織り込んだ書写専用のものです。
そもそも蜀素は、筆で墨書きするには不向きで、よほどの筆力がなければ書きこなすのが困難な素材です。このことからも米芾の手腕の非凡さがうかがえます。
蜀素帖の特徴
蜀素帖は、整った中にも米芾の特徴がよく出ており、米芾の行書を学ぶには最適の古典です。
全くゆるみを感じさせず、1字1字が完璧に行き届いた姿態を備えています。
1字の中心を左に傾け、筆鋒の抑揚を大きく利かせて速書しています。
骨格は六朝時代の筆法をふまえた颯爽とした書です。
絹目の効果によって潤渇が精彩を放って変化に富んでいます。
盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3
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