晋祠銘とは
晋祠銘について
晋祠銘(しんしめい)は、太宗が高句麗遠征から戻る途中、唐創始の地である太原の晋祠に立ち寄り、神徳を永遠に伝えるために碑を建てたもので、行書で刻した最初の碑です。
碑額は飛白(ひはく)体で3行、本文は行草書で28行。
現在は、山西省太原市西南の晋祠内の唐碑亭にあります。
晋祠銘の特徴
晋祠銘は、蘭亭序と並ぶ行書の名品です。
書風は、勢いがあり力強く、気力にあふれています。
晋祠銘の臨書/書き方
- 筆の抑揚を駆使したスケールの大きい書
- 根底には王羲之の書を感じます(王法)
晋祠銘は、自由で伸びやか、変化が大きいのが特徴です。
運筆を軽やかに大きくし、緩急抑揚を意識して書いてください。
筆は柔らかめの毛で、構えは直筆と側筆を使い分けます。
字形は様々に変化しますが、概ね縦長です。
線は潤って厚いので、墨液は十分に含ませて、練って粘り強い感じの運筆を心がけます。
筆脈は、太宗の人格を象徴するように大らかなリズムで書きます。
晋祠銘の作者・唐太宗はどんな人?
晋祠銘の作者・唐の太宗(たいそう)は、唐の第二代目の皇帝についた人です。
父李淵(高祖)と共に唐朝の創建者であり、広大な国家の体制を整え、「貞観の治」と呼ばれる太平の世を築きました。
中国史上屈指の名君の一人と称えられています。
書道に関しては、王羲之の書に傾倒し、その普及につとめました。
弘文館を設置し、虞世南、歐陽詢に命じて国家のエリートに徹底して楷書を伝授させます。
太宗自身も虞世南に師事して書道を学び、太宗の作品として有名な「晋祠銘」と「温泉銘」という行書作を残します。
どちらも当時の建碑の標準が楷書であったのに対し、この2点は行書です。
太宗が書道を奨励することで、歐陽詢・虞世南・褚遂良・顏真卿・柳公權・懷素・張旭・孫過庭・李北海などの優れた書家がうまれたと言って過言ではありません。
太宗は、その後の中国書法史に絶大な影響力を残した人物と言えます。
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