和泉式部続集切とは
和泉式部続集切について
書写年代:11世紀末から12世紀はじめ
料紙:素紙(白色)・淡藍色の染紙で、丸龍の空摺りの文様のある紙・牡丹の花を書いた紙
平安時代半ばの女流歌人・和泉式部の歌集には、哀愁と寂寥があります。
歌集は「和泉式部集」と「和泉式部続集切」がありますが、書道の古筆として親しまれているのは、「和泉式部続集切」の断簡です。
「和泉式部続集切」には、甲類・乙類・丙類があります。これら3つは書風が異なり、別の人が書いているようです。
和泉式部続集切の書風
和泉式部続集切 甲類
筆の運びが自在で、抑揚の変化があります。
墨継ぎによる濃淡・太細がはっきりしています。墨が無くなっても筆圧を緩めず、書ききっており、リズミカルです。
字形にこだわらず、字粒のまろやかな文字が特徴です。
藤原行成(ふじわらのゆきなり)の針切に似ています。
その他、趣きが異なりますが以下にも似たところがあります。「伝西行筆 一条摂政御集」「伝藤原行成筆 古今和歌六帖切」「伝源道済筆 小堀本朝忠集」
和泉式部続集切 乙類
抑揚の変化があり、おおらかな運筆です。
甲類と比べて、連綿はやや少なめで、線は細く、軽快に書かれています。書風は比較的甲類に似ています。
字粒が大きく、円形文字が特徴です。
和泉式部続集切 丙類
これは後世の補写と考えられており、甲類・乙類に比べて劣ります。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3