七言絶句-貫名海屋
七言絶句の作者、貫名海屋とは?
貫名海屋は書家であり、儒学者・画家でもあります。
同時代の巻菱湖、市川米庵とともに「幕末の三筆」といわれた大家です。
書は中国・宋代の書法を学んだ後、空海の筆法に触れて心酔し、さらに歴代の拓本を収集して臨書に明け暮れ、ついに独自の書風を確立します。
晩年には「菘翁」と号し、自由奔放ながら円熟したその書画が人気を博しました。
書は江戸期の唐様を基盤としながら、和様的な柔らかみがあります。中でも行書は格調が高く、空海以来の第一人者と称えられます。
七言絶句の意味
七言絶句(しちごんぜっく)とは、漢詩の形式の一つです。
1句に7字、全部で4句28字、五言絶句に次いで短い詩形の漢詩です。
七言絶句 貫名海屋作の特徴
ゆったりとした運筆で、滞りなく書かれており、流れるような心地よさがあります。
字形も安定しており、破綻がありません。
整然とした字配りと広い行間が相まって、たいへん明るく穏やかな雰囲気を醸し出しています。
唐様の筆法ながら、しなやかな柔らかみが感じられます。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3