雲紙本和漢朗詠集とは
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雲紙本和漢朗詠集の筆者は?
「雲紙本和漢朗詠集」の筆者は、藤原行成とされていますが、藤原行成の真跡と認められている「白氏詩巻」や書状と比べると別筆であり、同筆と認められる「平等院鳳凰堂色紙形」から筆者は源兼行(みなもとのかねゆき)であると考えられます。
雲紙本和漢朗詠集について
藍色の雲形のある料紙に書かれているので、「雲紙本和漢朗詠集」とよばれるようになります。
雲紙本和漢朗詠集の特徴
本文の漢字は楷書・行書・草書の三体です。
和歌の仮名は、女手と草仮名を用いて書いていますが、女手が主です。
- 字形は狭長で緊密
- やや側筆で、文字は右に傾いています
- 右上から左下への厚みのある斜線が目立つ
- 筆力が充実し、ねばり強く古風でみやびやかさがある
「雲紙本和漢朗詠集」と同じ書風で「和漢朗詠集」を書写したものに、「関戸本和漢朗詠集切」があります。
「雲紙本和漢朗詠集」と「関戸本和漢朗詠集切」は詩句や和歌の順序は同じですが、「関戸本和漢朗詠集切」にあって「雲紙本和漢朗詠集」にない詩句が31句あります。
盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3