急就章とは?
急就章って何?
急就章は、児童などが字を覚えるためにつくられた古字書で、「急就篇」、「急就」ともよばれます。
主に文字や当時章草とよばれた草書体を教えるためのものと考えられています。
日用語を姓氏、衣服、飲食などに分類し、暗誦しやすいように7字句または3字句に綴られた韻文です。
前漢の元帝のとき、史游がつくり隷書を崩した早書き書体で書いたと言われています。
古字書の中で最古のもので、漢から晋時代に流行しましたが、千字文・百家姓・三字経などが使われる
ようになると、字書としてはあまり使われなくなり、章草の手本として使われるようになります。
唐の張懐瓘「書断」では、史游を章草の祖としています。
古くは張芝・鍾繇・皇象・衛夫人・王羲之ら名家の墨跡がありましたが、現在伝わっているのは、呉の皇象の章草本だけです。
松江本急就章
皇象の墨跡は、北宋のときに内府に収蔵され、民間にも唐代の模本が伝わっていました。
葉夢得が楷書の釈文をつけて刻した本を明の楊政が入手し、欠落している部分を明の宋克の墨跡から補って松江(江蘇省)で重刻しました。これを「松江本急就章」とよんでいます。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3