張遷碑の特徴・書き方など
張遷碑は、隷書の古典です。読み方や作者、特徴、書き方など解説させていただきます。
張遷碑の読み方
張遷碑の読み方は、「ちょうせんのひ」です。
張遷碑の作者
張遷碑の作者は不明です。
張遷碑の特徴
後漢の霊帝の中平三年
山東省穀城県の吏員たちが発起して、前任の県長で河南省蕩院令の張遷の徳政たたえて碑を建てたもので、碑陰には41名の姓名や官名、醵金額(ある事のために複数の者がお金を出しあうこと)が刻されています。
張遷碑は、角ばりのある重厚な点画、素朴で力強い筆致が魅力の古拙な趣きの隷書です。
字形は扁平に近い四角形。
線は平凡で直線的ですが、点画の長短の変化の連続した流れがあります。
誤字や異体字が多いのも特徴です。
清代を代表する書家である伊秉綬(いへいじゅ)や何紹基(かしょうき)は、張遷碑に特に熱心に取り組んでいました。
張遷碑は、過去に稚拙で風格がないなどの評判がありましたが、張遷碑に似た「鮮于璜碑」が出土されることで、ひとつの様式をもった隷書体として、再評価されるきっかけになりました。
張遷碑の臨書 書き方のヒント
臨書のポイントは、縦長や方形の字形・重厚な波磔・張遷碑特有の八分体です。
使用する筆は、柔らかめの中鋒、先があまり尖らないものを使ってみてはいかがでしょうか?
しっくりこない場合は、兼ごう筆など他の種類も試してみてください。
筆の構えは、直筆に近い側筆。
字形は、扁平に近い四角形
起筆は、蔵鋒で線中に包み、筆圧をかけて進行方向へ、練りながら押し出していきます。
終わりは、おさえないで止めるだけか、はじき出します。
抑揚や緩急はつけませんが、筆脈を意識します。
※筆脈 実際には書かない点画と点画の間の繋がりのこと
書体は隷書(八分)ですが、素朴で力強い筆致が魅力の古拙な趣きのがあります。
同じ隷書(八分)の礼器碑や曹全碑などと比較しながら学んでみてください。
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