伏波神祠詩巻とは
伏波神祠詩巻の作者は?
伏波神祠詩巻の作者は、北宋時代の書家であり詩人の黄庭堅(号:黄山谷)の書です。
黄庭堅に関しては、詳しくは以下のページをご覧ください。
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黄庭堅/黄山谷の書 北宋時代の書家
伏波神祠詩巻の書とは?
伏波神祠詩巻(ふくはしんししかん)は、建中靖国元年(1101年)5月、黄庭堅57歳の書です。
サイズは縦33.6cm×820.6cm、毎行3字~5字、自跋を含めて46行。
巻末には、宋の詞文家張孝祥と明の書画家である文徴明等の跋が添えられています。
東京の永青文庫収蔵。
高村光太郎は、伏波神祠詩巻について「毎朝見るたびに、はっとするほどその書が新しい」と讃えています。
書体は、楷書に近い行書体で、力強さと厳しさのある特徴的な書です。
独特の書風で、横画や左右のハライを長くとっていますが、字形とや姿態で全体のバランスがとれています。
多折法によって余裕と余力をもって長く伸びた横画、伸びやかな左右のはらい、そこに生じるおおらかな構成、この点が伏波神祠詩巻の最大の魅力です。
伏波神祠の意味
伏波神祠は、荊州(現在の湖北省江陵県)にあった後漢の将馬援を祀った社で、当時、伏波神祠は水難よけの神として民間で信仰されていたようです。
黄庭堅が荊州の沙市に滞在していた頃、大雨により浸水したため災害を鎮めるために、唐時代の詩人・劉禹錫の経伏波神祠詩一首を揮毫したのが「伏波神祠詩巻」です。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
大阪府堺市中区深井中町1994‐3