紀貫之の書
紀貫之の読み方
紀貫之は、「きのつらゆき」と読みます。
紀貫之の人物像
紀貫之(? - 945年)は、平安時代の貴族であり、歌人です。
童名は、阿古久曽(あこくそ)といいます。
「久曽」は「糞」の意味です。
自分の子供の名に「糞」を意味する言葉を使うことは、現代では考えられませんが、当時は人が臭くて嫌うものには悪魔も寄り付かないから、その子は無事に成長するという考えがあったようです。
紀望行(きのもちゆき)の子で、官位は従五位上・木工権頭など高い官位には就けなかったようです。
歌人としては傑出した存在でしたが、不遇であり、自身の不遇を嘆く歌が「貫之集」に多くあります。
「古今和歌集」の選者の一人で、三十六歌仙の1人。「古今集」のかなの序は、紀貫之が書いています。
中世・近世には「万葉集」は最も尊重されたため、その撰者である紀貫之は歌人として最も尊重されました。
紀貫之の代表作
古今集 かな序
大井川行幸和歌 序
新撰和歌集 序・四巻撰 序を漢文で書いています。
土佐日記
歌集 貫之集
紀貫之の書風
紀貫之は、「高野切」「桂本万葉集」「寸松庵色紙」などの筆者とされており、そのために能書とされていますが、紀貫之の真跡(本人が書いたもの)は残されていません。
紀貫之自筆の土佐日記を藤原定家が書写しており、それによると、紀貫之の字形は簡略で、字母の複用が少なく、続け書きにしていたことがわかります。
ちなみに「高野切」「桂本万葉集」「寸松庵色紙」「亀山切」「自家集切」「松葉屋色紙」「名家家集切」「万葉集切」「色紙」「小色紙」などの筆者は紀貫之とされていますが、全て別筆で、紀貫之の真跡ではありません。
紀貫之が歌人ですぐれた人であり、有名であるということで、筆者として名前を使っているだけのようです。
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