寸松庵色紙とは、臨書する上で、どのような特徴があるか?
寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)とは、平安時代を代表する散らし書きの絶品です。
平安時代中頃(11世紀後半頃)に書かれたとされています。
どんな特徴があるのでしょうか?
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寸松庵色紙 仮名古典の名筆
寸松庵色紙(伝紀貫之)は、平安時代を代表する名筆で、「継色紙(伝小野道風)」「升色紙(伝藤原行成)」とともに「三色紙」と称されます。
もとは中国製の唐紙を粘葉綴した冊子に、「古今和歌集」の四季の歌を書写したものです。
重厚で高い格調が愛好され、茶室の掛物として古筆(平安時代から鎌倉時代にかけての能筆家の筆跡)の中でも特に珍重されてきました。
寸松庵色紙の名前の由来
大阪堺市の南宗寺の襖に貼られていましたが、江戸時代の茶人で徳川家康に仕えた武将でもある「佐久間将監真勝」が一部を入手し、京都の大徳寺に寸松庵という茶室を建てて、これを収めました。
に伝来しましたので、これらのつれの全てを寸松庵色紙と呼ぶようになりました。
寸松庵色紙の作者は?
寸松庵色紙の筆者は、「古今和歌集」の編纂や「土佐日記」の筆者として知られる紀貫之と伝えられてきましたが、現在では否定されています。
寸松庵色紙の特徴は?
力強く勢いのある運筆、豊かで美しい線、すっきりと洗練された余白と連綿。
升色紙とは異なり、線と面の世界です。
文字が一目で分かりにくいところがあるので、1字の字形美より、行に重点を置いていることがわかります。
- 雲母びきの美しい唐紙に、和歌1首がさらり絶妙なバランスで散らし書きされているのが特徴です。
- 行の傾き加減や余白の大きさによって、ゆるぎない安定感を醸し出しているところに、筆者の類いまれな才能がうかがえます。
- 右下がふくらむ字形を多く用いながらも、重くならずにリズミカルに連綿するテクニックも秀逸です。
寸松庵色紙は、「三色紙」の1つでもありますが、多数の古筆の中でも特にまさっている名品です。
寸松庵色紙の臨書にあたって
- 端正な字形と連綿法
- 用字と関連した行の流れ
- 行の呼応と余白の関係
- 継色紙・升色紙との比較
寸松庵色紙は、よく流動した書き方をしながらも、ねっとりとした粘った運筆を加えたり、線に厚みをつけて、円み・厚みを加えます。
そうすることで、豊かな気分のする美しさを表現し、上品な趣きも深くなります。
筆は、先のよく利く小筆が適しています。
弊社取り扱いのかな用の小筆では、上三条・小初霜がおすすめです。
筆の構えは、直立に近い側筆です。
字の懐を大きくして、豊かな感じをだします。
突っ込むところは深く突っ込み、その反動で次へ移りますが、「関戸古今集」より粘って運筆します。
寸松庵色紙にオススメの臨書用紙・料紙・筆
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寸松庵色紙 一般的な色紙
一般的に普及している通常の色紙もご紹介いたします。
以下の色紙は、寸松庵サイズの色紙で、大色紙の1/4程の大きさです。
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