写経に使う墨
写経墨のすり方
墨はゆっくりと磨ります。
ゆっくり磨ると、墨の粒子が細かくなり、水とうまく溶け合い良質な墨液が得られます。
墨は垂直に立てて磨ることを推奨されることもありますが、墨が小さい場合は少し寝かして磨った方が磨りやすい場合もあります。
硯で墨を磨るときは、「の」の字を描きながら硯の丘の箇所で磨ります。
硯は真ん中だけ使うと磨る効率が悪く、その部分だけ窪んでしまう可能性がありますので、硯の丘全体を使って磨ります。
写経で使う墨の濃さは?
墨の濃さの調整は慣れますが、磨っていて墨が粘ってこないうちに磨り終わるくらいがよいです。墨や硯にもよりますが、時間的な目安は10分までです。
写経の場合、粘りがでるほど濃く磨ってしまうと、筆先が墨にとられて書きにくくなります。
もし墨の濃さに筆がとられる感覚がある場合は、水を少し加えて濃さを調整してください。
般若心経1枚書き切る場合、墨の量の目安は、水差しで数滴落として墨を磨るのが適量です。
足りない場合は、数滴水を足して再度墨を磨ってください。
写経墨のおすすめ
写経に使う墨は少量ですので、小さい墨で充分です。
写経墨は、基本的には何を使ってもよいですが、書道よりも上質の墨を求められる方が多いようです。
お手元にかな用墨があれば、それを使っても大丈夫です。
墨には中国産(唐墨)と日本産(和墨)がありますが、写経には和墨の方が適しています。
唐墨は、粘りが強く、線の伸びが劣ります。他方、和墨は線の伸びもよく、墨色も良好で、和紙との相性もよいです。
墨は古いほど膠質が枯れて、墨の質が向上します。
写経に使う墨汁はある?
写経用の墨汁(液体墨)もあり、年々墨汁の品質も高まっているようです。
写経墨の保管方法は?
墨は湿気に弱いので、使用後は磨った面を半紙などで拭きとってください。
日本製の墨(和墨)は、水分が残っていても劣化しにくいですが、中国の墨(唐墨)は、腐食したりひび割れることがあります。
拭き終わったら、購入時に付属している桐箱に入れて保管しましょう。
写経に関する記事
~書道ライフを快適・豊かに~
書道専門店 大阪教材社