元永本古今集ってどんな古筆?
今回は元永本古今集について
元永本古今集はオシャレですっきりしています。
- 元永本古今集の名前の由来
- 元永本古今集ってどんな古筆?
- 元永本古今集の料紙は?
- 元永本古今集の筆者は?
- 元永本古今集の特徴は?
- 元永本古今集の臨書 書き方のヒント
- 元永本古今集にオススメの臨書用紙・料紙・筆
元永本古今集の名前の由来
古今和歌集の全文が書写された平安時代の写本として唯一のもので、上巻の奥書に
「元永3年(1120)7月24日」と書かれていることから「元永本古今集」と呼ばれています。
古今集書写の完本としては最も古いことが上冊の奥書の紀年によってわかります。
元永本古今集ってどんな古筆?
金銀箔を散らすなどしたきらびやかな料紙は、同時代の名筆「西本願寺本三十六人家集」に次ぐ美しさとされています。
構成は、糸綴じにした上下2冊の冊子本です。
字形は縦長、連綿も縦へ縦へ伸びています。
紙面構成が明るく、大変軽快です。
元永本古今集の料紙は?
元永本古今集の料紙は、日本製の唐紙です。
貝殻をつぶして微細にした胡粉を料紙に塗って、唐草・菱文様・亀甲などの型文様を雲母ですり出したり、摩擦によって文様を表す空摺りの技法が用いられています。
裏面も金銀の切箔・野毛・砂子などをまいて華麗に装飾しています。
その美しい料紙に豊潤な線や繊細な線を駆使して、リズミカルで流麗な書風で書写されています。
元永本古今集の筆者は?
研究結果から、元永本古今集の筆者は、藤原定実さだざね(藤原行成の4代後の子孫)とする説が有力です。
筆者は長らく歌人の源俊頼(1055~1129年)とされてきましたが、書きぶりがあまりに堪能なのに、歌題の誤写には頓着していない様子から歌人ではなく、当時の能書の書ではないかと考えられています。
ある古筆の本質をつかむためには、その古筆が書の歴史のどこに位置するのかを踏まえることも大切です。
藤原行成の1系は、世尊寺流と呼ばれていますが、世尊寺家の書風の変遷の中で藤原定実に注目すると、父の藤原伊房(これふさ)が男性的な力強い字を書いたのに対して、藤原定実はその反動のように穏やかな字を書いています。特にこの元永本古今集は、力強さをおさえて書かれています。
元永本古今集の特徴は?
観るものを飽きさせない多様な表現
- 漫然と和歌を書きつけるのではなく、連綿や単体をとりまぜるなどの変化があり、観るものを飽きさせず、次の展開の興味をひきつける工夫が随所にみられます。
- 直筆と側筆、女手(平仮名)と草仮名を巧みに織り交ぜて、多彩な表現をしています。
時代が下って仮名美が成熟した時代に書写されたこともあり、高度な技巧が凝らされた古筆です。
元永本古今集の臨書 書き方のヒント
- 仮名と調和した和様漢字
- 放ち書きによる字間の響き
- 側筆や細線を交えた叙情的な筆致
- 和歌を小さく書いた散らし書きの意匠
元永本古今集にオススメの臨書用紙・料紙・筆
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