表具を大別すると、支那表具と大和表具に分けることができます。
表具は中国で生まれたものです。
仏教経典の便宜上、経典がイタミにくく、長期間の保存に耐えることを目的としています。
その技術と方法が時代の推移と共に変化発展を繰り返してきたのです。
大和表具は中国で生まれたものがベースになっています。
奈良・平安時代に遣唐使・遣隋使の往来を通じて、中国文化の輸入に努め、技術や技術者も入ってきたようです。
これは、314年に書かれた「東北院職人歌合」に経師という職種の肩書で姿絵と歌があることから、この時点前に日本に技術が入ってきたものと考えられます。
支那表具は大和表具に対して便宜上使用されている名称となります。
支那表具を一見して気づく最大の特徴は、掛物の各部の寸法がおおらかで、少し間伸びした感じ。
それと、表具の色合いが一色で、しかも淡い色調の中に地紋のある裂地きじが主として用いられることがあります。
表具の各部の形も相当違いがあります。
軸先の形、掛け紐の種類とつけ方、発装の形、巻紐の種類、風帯の数、表具の形式など。