谷崎潤一郎は達筆の作家でした。
仮に書家の書を見せる字であるとすれば、彼の毛筆の筆跡は読ませる字といった感じです。
巧みさで見せる筆跡ではなく、文や言葉の意味を素直に読ませ、直接的に感じさせる筆跡。
谷崎潤一郎は普段から毛筆を愛用しており、ある時期から原稿もほとんど毛筆書きしていたそうです。
読みやすい行書体で、1字ずつ切り離して大切に慎重に書かれた感じですが、線質に鋭さやきつさはなく、力みのない柔軟な運筆。
一行書いてから、また次の一行を書くまでに墨を磨りながら何を書くか考える。
そうした行間の余裕、慎重さが筆跡に反映されるのかもしれません。
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盛喜 一輝 KAZUTERU MORIKI
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