古墨
古墨の読み方
「古墨」の読み方は、「こぼく」です。
古墨とは? いつから古墨?
古墨とは、製造後年月の経過で乾燥し枯れた墨のことですが、新墨と古墨を年代で分けるのは困難です。
それは古墨という言葉に、希少性や質の高い墨という意味も含まれるからです。
製造後、約5年以降くらいから墨色が落ち着き、墨の個性が発現しはじめます。
約10年以降には厚みが増し、淡墨に使う場合は、芯とにじみがハッキリと現れはじめます。
硯あたりが軽くなり、筆づかいにも墨の抵抗がやわらぎ、のびも良くなります。
(全ての墨が上記のように変化するわけではありません)
但し、墨の保存場所、保存方法によっては、墨色の厚みと変化が変わります。
では、墨はどのように保管すれば、正しく古墨に成長するのか、次の項目でご案内します。
古墨の保管方法は?
古墨の保管場所は、温度変化が少なく、急な湿度の変化が無いところが適しています。
放置したり、直射日光のあたる場所は避けてください。
冷暖房や加湿器を使用していない部屋の押し入れの奥や引き出しの中などがよく、桐箱があれば、その中に保管してください。
湿度のある場所に保管すると、膠が湿度に弱いためカビが生えて変質することがありますので要注意です。
古墨は使用した後、磨り口を拭ってから収納してください。
特に唐墨は、水分を拭いておかないと、ヒビ割れなどの原因になります。
古墨の意味と特徴
書道において、墨色の良し悪しは非常に大きなポイントです。
つややかな墨色、濃淡の美しさは、書道作品の幅を大きく広げてくれます。
では、良い墨はどのように選べばよいのでしょうか?
判断基準が無いと選ぶのは難しいですが、やはり値段の高いもの程良質のものが多いです。
その他、製造してから時間が経過した墨ほど良く、(製造後の経過年にもよりますが)そのような墨を総称して古墨と呼んでいます。
同じ大きさのものであれば、軽い程良質です。
古墨は、ウィスキーやワインのように、時間の経過とともに水分が抜けて良質の墨になります。
新墨は、充分に墨の水分が乾燥されず、古墨に比べて水分割合が多い状態です。
そのため重く、粘土も強く、のびが悪く、墨色も生々しい感じで、ニジミと芯の区別も判然としません。
墨は消耗品であることも、古墨の価値が上がる理由の1つです。
年数を経て数が減ることで希少価値が高まります。
但し、全ての墨が年月の経過によって良い古墨になるわけではありません。
原料や製造工程によっては、むしろ変質して使えない墨もあります。
書道用品店など専門店に相談し、信用できる製造元を選ぶことをおすすめします。
古墨の特徴
- 墨色の変化の幅が広がる
- 墨色に厚みがある
- 芯とにじみが美しい
- のびが良い
- 上品で深みのある墨色
古墨の形
古墨には、いろいろな形があります。
- 円形
- 長四角形
- 四角形
- 八角形
- 圭形
- 器物形(石鏡・竹冊・刀筆・瓶・石鼓・鐘・布銭・筑陽石・束素など)
古墨は、型・艶・厚み・図柄などで判別しますが、範囲と価値の判定は至難です。
古墨の種類
大きく分けると唐墨(中国の墨)と和墨(日本の墨)に分けられます。
中国の墨では、宋墨(宋代の墨)・明墨(明代の墨)・乾隆墨(清代の墨)・嘉慶墨が代表的な名品です。
その他、倣造墨・嘉慶墨以後の墨など。
宋墨
現存するものは、ほとんどありません。
明墨
重量は、重いものもあれば、軽いものもあります。
墨色は、紫墨色が最上で、粗悪品は泥ついた色です。
青墨は、艶が無く質も粗いですが、力強さがあります。
有名な墨匠の墨は、偽物が多いので注意が必要です。
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