俳画は、俳句と絵が一体となったもので、どちらか一方がなければ俳画は成り立ちません。
俳句は十七文字で完成された文芸作品ですので、
「絵は余計ではないか」という方もおられるかもしれません。
では、なぜ俳句に絵を加えるのか?
その理由はいくつかあります。
・句の内容を誤解されないように絵を加える
・句に表現されている情景が浮かび、それを絵にして添えたい
・景色などをスケッチした後、句を加えたい など
いずれにしても俳画は遊び心からうまれたものです。
俳句という原作を絵で脚色して、1枚の紙の上で楽しく表現して心を伝える芸術が俳画です。
画像は、蕪村の「岩くらの狂女恋せよほとときす」
この画は、右端のほととぎすが左端の紫陽花の上空を通過しようとしている画です。
真中の空間は距離の空間であり、時間の空間でもあります。
ほととぎすが鋭い声で鳴き、紫陽花のところまで鳴き声が届くまでの時間を視覚的に画の空間で表現しています。
この画は、ほととぎすが鳴きながら飛ぶ習性をうまくとらえているのです。