松尾芭蕉、小林一茶と並んで江戸時代の三大俳人と言われた与謝蕪村。
実は与謝蕪村が俳人として知られるようになったのは近代になってからのことです。
画家としてはすでに有名でした が、正岡子規が蕪村の句の良さを世間に紹介してから知名度が上がったようです。
独学で多様な絵の傑作を描いた蕪村が、最も自慢していたのが俳画です。
彼は草書(書道で略筆のやわらかい崩した字)で書いた自分の俳画を「草画」という言葉をあてていました。
ひじや手首の力を抜いて、柔らかく、滑らかに、自由に流れるように絵を描く方法です。
俳画では、 簡略に、俳句のエッセンスが伝わってくるように描くのがポイントです。
簡略な形式の俳句にピッタリの淡い色づけと軽妙な絵。
蕪村の描法は俳画に向いていたのです。