時間をおいて使用する
紙の種類によりますが、書道に使用する手漉きの紙は寝かせてから使った方が良いとされています。
長くねかせた場合、加工紙や機械漉きは要注意です。
加工紙は堅くなったり折れやすくなることがあり、機械漉きはパリパリになることがあります。
時間をおくことによって、にじみ具合や墨のノリがよくなります。
このような紙を「枯れた紙」と言います。
ねかせる期間は、最低1~2年。
保存状態がよければ5~10年置くとさらに良いようです。
書道家さんによっては20年くらいが使い頃だと言う方もいます。
なぜ時間を置いた方が良いか理由は諸説ありますが、
・無駄な湿気が紙から抜けることで紙の繊維が切れ、それによって美しいにじみがでるのではないか
・原料の稲ワラからでる微量の膠が全体に広がって、無駄なにじみを防いでいるのではないか
などなど、いずれも科学的な根拠はありませんが、時間をおいて使った方がよいのは確かです。
紙の保管方法は?
但し、単に時間をおけばよいということではなく、保管方法が重要です。
いかに湿気を防ぐか。
一度湿ってしまうと、墨をのせたときに白く浮き上がることがあります。
これを「紙がカゼをひいた」といいます。
この状態になってしまうと、残念ながら乾かしても元には戻りません。
保管のポイント
・風通しの良いところに保管
・購入年月日を書いて保管
・ビニール袋には入れず、紙の包みでくるむ。
・桐ダンスに入れるのがベスト
・防虫剤で虫くい予防。洋服用の防虫剤でOKです。