手鑑って読み方難しいですね。
「てかがみ」と読みます。
手鑑とは、誰でも手本にすることが出来る優れた筆跡を集めたものです。
文字を書くのが上手な人を手筋が良いなどと評価しますが、「手」は筆跡のことです。
「鑑」は顔を映す「鏡」のことであり、手本・模範といった意味にもつながります。
手鑑の大きさは大小さまざまで折帖になっており、表・裏の両面に古人の筆跡が貼り込まれています。
出光美術館
いつ頃から手鑑がはじまったかは定かではありませんが、桃山時代にはすでに存在していました。
当時の手鑑は、現在のものと少し違いがあり、自分の好みの筆跡を自由にペタペタ貼り付けて鑑賞していたようです。
江戸時代に入ると、貼り込む筆跡の種類や序列に一定のルールが出来ました。
まず、表には奈良時代の聖武天皇にはじまる代々の天皇、皇族、摂政、関白という順に筆跡が並びます。
裏は聖徳太子にはじまり、藤原鎌足、菅原道真、弘法大師などの高僧、女流歌人、武家と続きます。
手鑑によって多少の違いはありますが、概ねこのような配列であったようです。
筆跡の種類は、漢字、かながあり、内容は漢詩集、歌集、物語から写経、色紙、短冊と多岐に及びます。